いくつかの悪質な業者による虚偽の申請事件などがあったため、介護保険法がたびたび改正され、様々な届出制度が出来てきました。そのたびに、介護保険事業者の皆様の事務負担は増加しております。
面倒で手間のかかる事務手続きは、必要なことですが、直接利益につながる訳でもありません。介護職員の負担を増やす訳にもいかないし、かといって、そのために事務員を増員するのは不経済です。
指定(許可)の有効期間は6年間です。指定事業所には指定の有効期間満了日の6カ月前に案内が送られてきます。更新の申請は、当該案内に記載されている期限内に提出しなくてはなりません。
また、変更届が必要な場合は別途変更届を提出する必要があります。
更新の欠格事由は、指定の欠格事由と同じです。法人役員等についても、更新の欠格事由に該当する場合は、更新を受ける事が出来なくなる点は要注意です。
更新申請するサービスごとに申請書や添付書類が変わります。ここでは、一般的に必要になる可能性がある書類をピックアップいたします。
①指定(許可)更新申請書
②付表(番号1~12)
③誓約書
④役員名簿
⑤資産の状況(貸借対照表)
⑥従業者の勤務体制および勤務形態一覧表(および組織体制図)
⑦関係法令を順守する旨の誓約書
⑧管理者等一覧表
⑨当該事業所に勤務する介護支援専門員一覧表
⑩現在の指定(許可)書の写し
介護給付費の請求は、各市町村から、審査・支払いの事務委託をうけている「埼玉県国民健康保険団体連合会」に対して行います。
介護報酬の支払いは、サービス提供月の翌々月の月末になりますので、特に、事業開始時には余裕を持った資金計画を立ててください。
介護サービス情報の公表制度は、事業者の情報提供の仕組みを整備し、利用者による、より適切な選択を支援するために創設された制度です。
介護事業者は①基本情報(職員の体制、サービス提供時間など)②運営情報を報告する義務があり、介護サービス情報公表支援センターのホームページで公表されます。
【報告の対象になるサービス】
①訪問介護(予防を含む)②夜間対応型訪問介護③訪問入浴介護(予防を含む)④訪問看護(予防を含む)⑤訪問リハビリテーション(予防を含む)⑥通所介護(予防を含む)⑦認知症対応型通所介護(予防を含む)⑧通所リハビリテーション(予防を含む)⑨特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅・軽費老人ホーム)(予防を含む)⑩地域密着型特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅・軽費老人ホーム)⑪福祉用具貸与(予防を含む)⑫特定福祉用具販売(予防を含む)⑬小規模多機能型居宅介護(予防を含む)⑭認知症対応型共同生活介護(予防を含む)⑮居宅介護支援⑯介護老人福祉施設⑰短期入所生活介護(予防を含む)⑱地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護⑲介護老人保健施設
短期入所療養介護(予防を含む)⑳介護療養型医療施設
事業所の名称など、厚生労働省令で定める事項に変更があった時は、その旨を、10日以内に所定の「変更届出書」で届け出る必要があります。届出が必要な変更項目は以下の通りです。
①事業所(施設)の名称
②事業所(施設)の所在地、電話番号、fax番号
③主たる事務所の所在地、電話番号、fax番号
④代表者(開設者)の氏名、住所、生年月日
⑤定款・寄付行為およびその登記事項証明・条例等(当該事業に関するもの)
⑥事業所(施設)の建物の構造、専用区画等
⑦備品(訪問入浴介護事業〈介護予防を含む〉)
⑧事業所(施設)管理者の氏名、住所、生年月日(※1)
⑨サービス提供責任者の氏名、住所
⑩運営規定
⑪協力医療機関(病院)・協力歯科医療機関
⑫事業所の種別
⑬提供する居宅療養管理指導の種類
⑭事業実施形態(※2)
⑮入院患者または入所者の定員
⑯介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院等との連携・支援体制
⑰福祉用具の保管・消毒方法(委託している場合は委託先の状況)
⑱併設施設の状況等
⑲役員の氏名、住所、生年月日
⑳介護支援専門員の氏名、登録番号(介護支援専門員の就労情報の届出)
※1 介護老人保健施設の管理者は事前に承認を受け、事後に変更届出をする。
※2 本体施設が特別養護老人ホームの場合の単独型・空床利用型・併設型の別
前掲の⑳に関連して、介護支援専門員の就労情報の届出があります。介護支援専門員として就労している方の、就労状況に変更が生じた場合は、10日以内に届出が必要です。
【届出が必要なサービス】
①居宅介護支援事業者 ②介護老人福祉施設 ③介護老人保健施設 ④介護療養型医療施設 ⑤特定施設入居者生活介護事業者
※なお、地域密着型サービス事業者については各市町村にお問い合わせください。
介護保険事業者新規指定申請時に提出した、介護給付費算定に係る体制等が変更になる場合は、「介護給付費算定に係る届出書」と「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」を必要書類と合わせて、変更の前月15日までに提出しなくてはなりません。
人員基準欠如の場合は、介護報酬を減額して請求するとともに、体制の変更手続きも必要になります。
(1)居宅介護支援事業所
介護報酬の算定のため、「特定事業所集中減算」の該当の有無を判定するために、「居宅介護支援事業所における特定事業所集中減算の届出」等を年2回(9月、3月)に所管の福祉事務所等に提出します。
(2)通所介護サービス事業所、
通所リハビリテーション事業所
介護報酬算定に関連し、事業所規模による区分を判断するために、年1回(3月)に提出します(変更がある場合)。現在届け出ている体制等状況に変更がある場合に、「介護給付費算定に係る体制等に関する届出書」等を、所管の福祉事務所等に提出します。
(3)介護予防通所サービス事業所
介護報酬の算定に関連して、加算を希望する事業所を把握するために行います。翌年度から事業所評価加算の算定を希望する場合には、10月15日までに「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」で事業所評価加算の届出を所管の福祉事務所等へ提出します。
事業の廃止・休止届は、1か月前までに所管の福祉事務所等に提出しなくてはなりません。
事業を休止した後、再開される場合は、再開届出書に当該事業に係る「従業者の勤務の体制および勤務形態一覧表」を添付して、所管の福祉事務所等へ提出します。
なお、事業を休止中の事業所について、指定期間が満了する場合、事業休止中のまま、指定更新を受ける事はできませんので、期間経過に伴い、指定の効力は失われます。
(1)介護老人福祉施設および指定介護療養型医療施設の辞退
指定を辞退する日の1か月前までに、所管の福祉事務所等に、指定辞退書を提出いたします。
(2)みなし指定の辞退
健康保険法に基づく保険医療機関および保険薬局は、介護保険法の規定により「別段の申し出」や健康保険法の指定取消処分を受けていない場合を除き、下記のサービスにつき、介護保険指定
事業者とみなされます。
①歯科を除く保険医療機関 → 居宅療養管理指導(介護予防を含む)
訪問看護(介護予防を含む)
訪問リハビリテーション(介護予防を含む)
②保険医療機関(歯科) → 居宅療養管理指導(介護予防を含む)
保険薬局
この場合に、介護保険で上記介護サービスを行う意思がない時は、所管の福祉事務所等へ、「指定を不要とする旨の届出書」を提出します(別段の申し出)。